テンネットの日に “気になるあの人”と「恋する収納トークセッション」
2016.10.12
10月10日はテンネットの創立記念日。
勝手にテンネットの日と呼んでいますが、今年のテンネットの日はスペシャルな1日に。
そのひとつが、「 “気になるあの人”と 恋する収納トークセッション」navigated by the Closets
10月14日まで開催の「気になるあの人の VIVIDEEP展」から
“気になるあの人”をゲストに迎えてトークセッションをROOM10で開催させていただき、
たくさんの方のご参加いただいたのです。
堀内幸子さんとのユニットTheCLOSETSでのはじめてのトークナビゲート役で
ドキドキでしたが、さすがは個性豊かなVIVIDEEPERS!
それぞれに興味深いお話が次から次へ。またお互いのコメントへの突っ込みも秀逸!
無理なお願いをさせていただいた張本人 宇野としては、お一人おひとりのクーシュの
解説をお聞きしながら、[好きなモノを好きにオサメる]というとりとめのないお題に
皆さんがどれだけ腐心してくださったかを知るにつれ、改めて感謝感激。
同時にこのテーマをきっかけにご自身との対話を深めてくださったり、
モノに「今」を再確認してくださったり、
発見や発展があったということなどもお聞きし、これまた感動。
本当にありがたく、たのしく、そして勉強になる機会となりました。
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素敵なお話を聞かせていただいたのは、
*高橋善丸さん グラフィックデザイナー
*奈良平宣子さん テキスタイルアーティスト
*原村陽子さん アップデーター
*中島麦さん 美術家
の4名の皆さん(下の写真の左から)
そのトークの様子、いつもお世話になっているライターの白井さんが
記録していてくださいました!
本当はすべてをこちらに書きたいぐらいですが、今日ほんの一部をご紹介しますね。
◆「桐箱は一番フレキシブルな収納の形」(高橋善丸さん)
グラフィックデザイナー、大阪芸術大学 デザイン学科長の他に
売薬(家庭配置薬)のパッケージやその広告などを5千点を超えて蒐集する
コレクターとしての顔も持つ高橋善丸さん。
今回、『couche クーシュ』の中には
その貴重なコレクションを収めてくださいました。
「実は今回のお題をもらう前から、
自宅で全く同じ収納法を実践していたんですよ。
コレクターというのは蒐集物、興味の分野など常に変化していきます。
タンスなど、数が決まったものはどうしてもその変化に対応しきれません。
その点クーシュのような桐箱はどんどん数を増やして積んでいける。
本当に優秀な収納ツールです」(高橋善丸さん)
桐箱の特性の他にも、
「コレクトするのは男の性(さが)」「動物の巣作りの本能と一緒」
「コレクションは文化」などといった真面目な蒐集論から、
自慢のコレクションの解説を嬉々としてされるなど、
「止められるまで喋っちゃう(笑)」と楽しい話のオンパレード。
ご来場の皆さんもどんどん引き込まれている様子でした!
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◆「『couche クーシュ』はまるで箱のスケッチブック」(奈良平宣子さん)
テキスタイルアーティストで京都嵯峨芸術大学名誉教授。
『couche クーシュ』の中には色とりどりの素材、作品サンプルなどを整理。
インナーフレームを縦に使って立体的に見せるといった遊び心も
披露してくださいました。
「テキスタイル素材は一期一会のものが多く、
たくさん買い込むのですが、買ったままで眠ってしまうものも。
こうして収めることで忘れていた素材にもう一度出会えたり、
小さく作ったサンプルをまとめておけたり。
使ってみて、まるで箱のスケッチブックだなと思いました」(奈良平宣子さん)
そして、新たなクリエーションの源にもつながったと語る奈良平さん。
穏やかでほんわかとした語り口から、
テキスタイルへの愛情がたっぷりで、こちらも笑顔になりました。
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◆「収めることで、自分自身のアップデートに」(原村陽子さん)
1段目には遺言書、2段目には人に譲るもの、3段目を仏壇、
4段目を自分と一緒に燃やすものと、とてもコンセプチュアルに
ワークショップやお家探検イベント、企業セミナーなどを通して、
自分を誇らしく思えるように導くアップデーターです。
「このお題をいただいてから悩みに悩んだ末にたどり着いたのが
自分の死と向き合うという作品でした。
私の人生を今、終えるとしたら?
この桐の箱が究極のフィルターとなって、
私自身を見つめ直す大きなアップデートができました」(原村陽子さん)
今回の作品を仕上げるにあたって、自分の死、大切な家族を思って
何度も涙を流したという原村さん。
ご来場の皆さんも作品を前に佇み、
遺言書の一言一言に目を通す姿がとても印象的でした。
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◆「収めることで、時間を止める」(中島麦さん)
そして最後は美術家の中島麦さん。
この日は親子のお絵描きワークショップを行っていた別会場から
スタート時間ギリギリに駆けつけてくださいました。
「『couche クーシュ』を収納ツールとして
一番真面目に取り組んだのが僕じゃないでしょうか(笑)。
作品制作は常に前に進んでいます。
ひとつのものが出来上がっても、すぐに新しいものを生み出す。
いつもその連続です。箱の中に道具を収めることで、
その時間を一度止めることができるような気がしました。
そして箱から取り出したら、そこからまた時間が動き出す。
その感覚が楽しかったです」(中島麦さん)
そう語る中島さん。『couche クーシュ』の中には
アトリエで使う道具、作品などがきっちりと収められていました。
また、コレクト心がある男性同士として
高橋善丸さんとのやりとりもとっても楽しかったです!
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さすがライター白井さん!
わたしならもっと長く長くなっちゃう(笑)
四者四様の『couche クーシュ』とモノとの向き合い方を
語っていただいた一時間半。
ご来場の方からも、ゲストからもたくさんの笑顔と驚きと感動が生まれた
嬉しい愉しい時間でした。
中に入れたいものがあって、そのために容れ物としての収納用品を
調達するのが普通の流れ、ですよね。
今回はその逆、『couche クーシュ』という容れ物にあなたは何を収めますか?という問いでした。
(そんな収納用品があってもいいと思っているのです!)
その問いへの答えが、また答えを導くまでの過程が、その人の在り様に、心の質感に
なんらかの変容をもたらす・・。
「自分と向き合う “practice” としての収納」を提案していくという自らのテーマを、
ありがたく再確認することになる、テンネットの日でありました。
テンネット × まちデコール 「恋する収納@ROOM10」は10月14日(金)までです。