アンティークの額縁と作品のこと
2016.01.26
ちょうど1年前になります。
昨年の1月の後半に仕事でパリに出向き、
ルーブル美術館近く Pyramides というエリアのアパルトマンに1週間ほど滞在していました。
いつからか思い出せないのですが
「額」や「フレーム」という機能と装飾の間のようなもの、が気になりだしていて、
パリ滞在の折に、街なかや、Maison et Objet というインテリアの展示会や、
その他にもいろんなところで気がつけば額縁や額縁的なものを
たくさんたくさん観ていました。
ある日足を延ばしたパリ郊外のアンティークショップ街、クリニャンクールで額縁専門店に入ります。
フランス語オンリー、英語の数字も通じない、でも笑顔がラブリーな店主と身振り手振りで会話をし、
とても好きになった2種の額縁を包んでもらいました。(冒頭の写真を少しクローズアップ)
ひとつはシンプルながら柔らかな曲線が美しい1940年頃のものという額。
(数字は筆談で!笑)
色も質感も雰囲気があり一目惚れしました。
もうひとつは細い直線の枠に金の装飾が敷き詰められた1900年頃の額。古い!
年月に抗えずさすがにあちこちボロボロと剥がれているのですが、そこがまた愛おしい…。
こちらは同じデザイン形のものがペアで残っていたので離ればなれは忍びないなと2個購入。
自分のものとも、お土産とも、仕事の資料とも、何も考えず、これは私の元に来るべきだなと直感で
連れて帰った額2種3点がその 10ヵ月後、「ワタシにオサメル展」の作品の一部になるとは
思ってもみなかったことでした。
まず、作品「ポートレートクローゼット」に
金色の双子の額を使いました。
サイズのぴったり合う木箱を作って金と黒に色を塗り、額を貼り付けて
額縁ならぬ“額箱”にしたんです。
絵を飾るという本来の役割は卒業してもらって、
大好きなモノを収める箱、それを彩るという新しい役割で再デビューを。
中のモノをもっと好きになる、もっと大切にしたいと思える
力のある容れものになりました。
もうひとつのシンプルでエレガントな額縁は…
「アンティーク額写し立掛けクローゼット」という
まさに!なタイトルの作品に。
そしてこの作品が皆さんの人気を集めることになりました。
つづきは後日…